ゴミ屋敷と向き合った80代老夫婦

私は数ヶ月に一度、実家へ帰り、高齢の両親が元気にしているか様子を見ています。
父は若い頃、とても綺麗好きでいつも部屋が散らかっていると、母や子供の私達に片付けをさせるほどでした。
ですが10年前 ガンを患い、病気のせいか、あまり部屋の片付けをしなくなりました。

汚部屋の片付け方 07
いつも私が実家へ帰省すると、玄関からトイレの匂いがして、玄関にはいらなくなった傘が何本も置いてあり、使わなくなったボロ椅子に鉢を置いていたり、とにかくグチャグチャの状態でした。
部屋に入ると、リビングの脇に生花を飾る棚があるのですが、そこに趣味で使う道具をたくさん置いているため空間がなく、圧迫感漂う部屋と化していました。
母は、父に一緒に片付けようと声をかけるのですが、父は一向に耳を傾けないため、母と私で終活整理を始めました。
母は、いらなくなった洋服を次から次に捨て始め、読まなくなった本や使わない食器も全て処分しました。
自分の断捨離が終わる頃には、あんなに曇っていた顔の表情が穏やかになり、「物を捨てることでこんなにスッキリするものなのね」と笑みを浮かべていました。
父は病気をして後、「あと何年生きられるかわからないから、好きなことをする」と言い、カラオケにはまるようになりました。
昼夜問わず、歌い続ける日々。
部屋の片付けはお構いナシのため、部屋はゴミ屋敷寸前。これはマズイと感じた私は、思い切って終活の話をしました。
生前、祖母が使っていたタンスが3つもあり、2階に置いたままの状態でした。2つは捨てて、1つを形見にしてはどうか提案したところ、やっと首を縦に振り納得してくれました。次なるは、大量の本。足の踏み場がないほど畳に埋め尽くされていました。
父は「全部大事な本だから捨てたくない」と言い出したため、どうしてそうなるのか、原因を見つけました。
一つは、片付けが面倒だから。二つめは畳一面に埋め尽くしていた方が、安心だからという理由からでした。
父は病気をして、辛かったし怖かったのかもしれない、だから、埋め尽くすことで心の安定をはかっていたのだということに気づきました。私は、しっかり父の気持ちを受け止めると、父は自ら、片付け始めたのです。
ゴミを溜め、部屋が埋め尽くされるのは、何かその人なりの心に原因があり、気づいてほしいというSOSなのかもしれません。
今では見違えるように綺麗な部屋になり、両親は「これで私達も安心した、いつあの世に行っても良いね」と笑いながら毎日を穏やかに過ごせるようになりました。



コメントは受け付けていません。